10万キロ走った車と聞くと,大抵の人はもう廃車かなと思うかもしれない。 しかし,現在生産されている車は10万キロ程度は何の問題も無く走るような設計,生産管理が行われている. 新車でおろしたての車を一度もエンジンをストップさせず, 燃料給油以外停車する必要の無い理想的な道路をずっと走り続けるならば 100万キロくらいは走れるのではないだろうか? そう,自動車にとって,距離だけがその車の状況を左右するものではない. むしろ,距離よりも使用状況や経年劣化によるトラブルの方が多いと思う。 車のメカニズムを知り,キッチリとメンテナンスして乗る限り, 車はずっと相棒でいてくれる.
大前提として、機械はいつか必ず壊れる。 これを忘れてしまっていないだろうか? 日々のチェックや整備は何もしない。 それでいて、壊れたら乗り換える。 壊れそうだから乗り換える。 なんだか、すごく寂しいと思う。 深く考える必要はない。 日頃は壊れないように扱い、それでも壊れた直せば良いのである。
長く乗れば乗るほど愛着が沸いてきて,手放せない相棒となる. そして,あと少しあと少しとやけくそになって乗り続けるようになる(笑). 新しい車を買うよりも,自分で自分の車をメンテナンスし,乗り続けることは ある意味で豊かな生活を送ることだし,エコロジカルな事でもある.
もし,その車に長く乗りたいと考えるならば最初から長く乗れそうな車を選ぶのも必要なことである. 長く乗るには,多くの燃料が必要だし,定期的な油脂類の交換も必要である. ならば,これらをあまり使わないコンパクトで軽量な車種を選ぶのが良いだろう. 軽自動車はコンパクトで良いが,エンジンが小さい. このためより高回転を多用せざるを得ず,エンジンの寿命が短い. そこで私は1300cc~1600ccくらいのコンパクトか,2000ccくらいのディーゼルターボが良いと思う. そして,車が走る限り劣化し,磨り減る部品が必ずあり,それらを交換しなければいけない. そこで,部品の供給が安定しており,かつ安価に部品が手に入る車種がよい。 つまり,長い間モデルチェンジせず,生産台数が多い車である. 生産台数が多い車は,部品需要も多いので,サードパーティー製の消耗部品が安価に流通している. また,生産数が車種はそれだけ中古車の玉数も多く,安価に部品取り車を確保なんてこともできたりする. 生産台数の少ない国産車などでは(あまり売れていないスポーツカーなど), 生産中止後15年も経つと,部品が手に入らなくなることがある.
本当に100万キロ乗ろうとするならば欧州車という選択肢もある。 部品の流通という点を重視するならば,モデルチェンジ周期が長く,日本ほど買い替えサイクルが短くない 欧州の自動車を買うのも手である. 欧州車は互換部品がかなりたくさん流通しており,古い車種のパーツも入手性も良い. ただし,国産車に比べパーツはかなり割高な値段となるだろう.
また,整備のし易さからシンプルなメカニズムの車種を選ぶことも必要である. あまり複雑な機構を採用している車種はそれだけトラブルの元が増えるし,トラブルシュートに手間と時間と金がかかる. 従って,できればマニュアルトランスミッションの車を選びたい. マニュアルトランスミッションは100年来利用されてきた方法で,一般人でも整備が可能である。
車のメカニズムを知らずして整備することは不可能ではないが危険である. 何がどうなっているのかを知り、常に考えることでトラブルの際にも素早く的確な対処ができるようになる. (そんなこと考えるなんて面倒だしバカバカしいと考える方はお金さえ積めばプロが貴方に代わって対処してくれます。)
本気で長く乗ろうとするならば,ガレージがほしい. 一日の半分でもガレージに入れておくことができれば,車の劣化を確実に減らすことができる. また,土や砂利の駐車場に常駐させるのは避けたい. どうしても水はけが悪いらしく,下回りの錆が進んでしまう. 一度錆びて機能を喪失すると、部品交換以外の対処方法はとても難しいものなる。
ぶつけたりしない限り、壊れる部分は大概定まってくる。 経年劣化(主に化学反応)で機能が失われてくる部品と摺動により摩耗する部分である。 良くある故障個所は以下のようなものである。
・オルタネータ(発電機) ・燃料ポンプ ・ウォーターポンプ ・リレー ・ガスケット類 ・ハブベアリング ・ドライブシャフト |