DT125R 3FW フロントフォークのオーバーホール
2011年5月3日 フロントフォークは左側からオイル漏れが見られる. フォークオイルは一度交換しているが,シールは無交換である. 今回はダストシール,オイルシール,スライドメタル,フォークブーツを交換する.
フォークの分解には右の写真のような特殊工具が必要である.
単なる外形27mmの6角棒に9.5mmのソケットレンチを刺せるようになっているものである.
これが1970円もして,かつメーカー在庫が少であった. ●90890-01388 ダンパホルダー そのほかに必要なのがソケットレンチ用の長いエクステンションバーである. 大体500mmの長さが必要である.今回は300mmのものしか買えなかったので これと200mmのものを継ぎ足して利用した. 写真のようにアウターケースのボトム部分にある六角キャップボルトを緩めるのであるが, 内部の部品が供回りして永遠に緩めることが出来ない(笑) インパクトレンチを用いれば緩めることが出来ると思うが, 今度は閉めるときに指定トルクで締めれない.よって,素直に前述の特殊工具を使うのが吉. 特殊工具はエクステンションで伸ばして使う. このように特殊工具をトップキャップ部分から差し込み,内部のパーツを固定した上でボトムのボルトを緩める. 流石に特殊工具,これさえあれば簡単に緩めることが出来る. ボルトを抜くと,ボトム部分からオイルが出てきた. ヤマハの純正フォークオイルは赤紫色なのであるが,出てきたオイルは真っ黒. しかもヘドロ状になっており,もはや謎の物体Xと化している. ボトムのキャップボルトを抜いた後,インナチューブとアウタケースをガッコンガッコンと引っ張ればシールを抜くことが出来る. サービスマニュアルではオイルで満たした上で,プレスで圧をかけてシールを抜く方法が記載されている. しかし,今回はシールを再利用するわけではないのでガッコンガッコン手法で問題ないと思う. 右の写真の一番左端のパーツがテーパースピンドルと呼ばれるものである. サービスマニュアルにこれの外し方が載っていない.写真右側から左側に向かって,貫通ドライバなどを 当てて叩けば外すことが出来る.きつくカシメられているわけではないので軽く叩けば外れるはずである. 分解完了.洗油で奇麗に洗浄する. インナチューブ内部に部品が残っているが,この部品の外し方は不明である.また,インナーチューブのアッセンブリでしか 注文出来ない部品なのでそのままにする.また,インナチューブ最底部にある厚い方のスライドメタルも 補修部品の設定がないので傷つけないように注意する. フォークをバラした後、アウタチューブを塗装する。 今回は浜松第一塗料から通販で買ったシルバーメタリック(細め)で塗装。 純正の銀色とドンピシャな色であった。 ポリウレタン樹脂塗料だけあり、艶が素晴らしい。素人の私が塗ってもそこそこ綺麗になった。 使ったスプレーガンはストレートの安いもの。 ここからの作業は2011年7月28日 今回交換する部品は、スライドメタル、オイルシール、ダストシール、ドレンのガスケット2種。 初期のころの3FWのフロントフォークはオイルを抜くための穴がアウタチューブに設けてある。 この部分にガスケットがあるのだけれど、流石に再利用出来そうにない状態であったので新品に交換。 当然、写真左が新品。
これが、インナーチューブ下端にあるメタル。このメタルはインナーチューブとコンプリート部品になっているので
個別に買って交換することが出来ない。このメタルは筒の外側が摺動するが、全然減ってないようなので問題なし。
単品設定が無いのも納得。 今回交換するスライドメタル。このメタルは下側のメタルとは逆に筒の内側が摺動する。 左が新品で右が外したもの。金属の上に銅コートがされ、その上にモリブデンか何かがコートされている。 外したものはコートが無くなって、銅コートが見てしまっている。これは、交換して効果が期待できそう。 フォークオイルはヤマハの10番。指定量は片側506cc、150mm。両方で1012cc必要となり、 1L缶1本では足りないかと思うが、足りる。ヤマハG10のオイルは1Lよりもかなり多めに入っており、 規定量入れても僅かに余る。ヤマハの良心を感じる。今回は気持ち多めの油面高149mlで合わせた。 フォークスプリングの自由長を計測してみたが、自由長452mmに対し計測値は450mm。 0.4%ほど縮んでいるが、規定値内なのでOK。 規定量のオイルを入れたら、スプリングを沈めてトップキャップを閉めればハイ終了。 ピカピカのフロントフォークの出来上がり。 |