1988 HONDA CBR400RR NC23

1988年式 ホンダ CBR400RR NC23型 のインプレッションとメモ

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  • 概要

  •  HONDA NC23型 CBR400RR(以下CBR400RR)は1979年12月25日に発売されたロードスポーツ車です. 当時は大型自動二輪の免許取得が難しかったため,国内市場では400ccが最もポピュラーなクラスでした. このCBR400RRも400クラスのスーパースポーツ車として登場しています. NC23型はもともと87年にCBR400Rとして発売されているのですが, 売れなかったらしくエンジン以外の部分をほぼ全てリファインされCBR400RRとなりました.
     NC23のCBR400RRは88年と89年の2年間しか生産されていない上に,88と89では意外に変更点が多くなっています. 89年から2輪車の速度規制が始まったため89モデルには180kmリミッタが設定されています(88では速度警告灯が付いている). また,88式の小さなバックミラーもクレームが付いたらしく,89からは少し大きな楕円形に変更されています. 減速比も異なり,ドリブンスプロケットが88=42T,89=40Tとなっています. ここでは所有車両である88年式のモデルについて記述しています.
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    カラーはロスホワイト/ファイティングレッド(左)とグラニットブルーメタリック/ヘビーグレーメタリック(右)が設定されていた.
  • エクステリア
  • NC23 CBR400RR 001 NC23 CBR400RR 002 NC23 CBR400RR 003
    このバイクはレーサーレプリカなんでしょうかね? レーサーレプリカは元となるレーサーが存在してその下にあるものなので・・・ とりあえずフルカウルを纏ったその姿はお世辞抜きに格好イイです。 80年代のバイクは本当にいいです。妥協を感じさせない作り、見栄えです。 タンデムステップは格納式となっており,畳んだ状態では外から見えません.
    デザインは正にガンダムチックです.空力は余り考慮されていないと思います.

  • エンジン
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    さすが4ストのホンダです。すべての回転域から加速することが出来ます.。 本領を発揮できるのは8000rpm程度からですが,通常は5000rpmも回せば事足ります. ただし2000回転付近に少しトルクの谷がある気がします。 トルク特性も穏やかで回転数にリニアに比例して行きます. 純正サイレンサの排気音はとても静かで、カムギアの「ウィーンウィーン」って音が印象的です。 町乗り、ツーリングでは6速オートマ走行が可能です。 現在はモリワキのフォーサイトEMUフルエキゾーストに交換しています. 低回転のトルクは落ちてしまいましたが,パワーバンドのレスポンスがかなり良くなります. 写真はアンダーカウルとサイドリッドを外した状態ですが,400ccなのでコンパクトなエンジンとなっています.
    他のスポーツ車に乗ってみて初めて分かったことなのですがこのNC23型CBRはハンドルへの振動が酷いです。 特にツーリングなどでは最も使うと思われる4000〜5000回転の間の振動がかなりあります。 乗っていてまず最初に疲れてくるのが腕と肩です。腰はあまり痛くなりません。 80年代のマシンはエンジンにパワーがある分、こう言ったスムーズさが 犠牲にされているのかも知れません。 NC29型のCBR400RRにも乗ったことがありますが,同じエンジンとは思えないほど低振動でした.

  • 足回りと走行感
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    タイヤは前後異径となっており,フロントが17でリアが18です. 前後ともラジアルタイヤ指定となっていますが,リアの18インチがネックとなって選択肢が少ないです. ダンロップではGPR200,α12,BSですとBT92,BT090,BT014ぐらいです. サスペンションはフロントがテレスコピック,リアがマルチリンクモノサスとコンベンショナルです. フロントサスは空気室を持った構造で,空気圧で硬さを変更できますが,余り役に立ちません. リアサスはバネ下が重いようで,追従性はそれ程良くないです.
    現在の600クラス等と比べると,倒しこみ,切り返し共に重く,ヒラヒラ感は余り無いです.

  • 計器と操作系
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    計器はタコメータ,スピードメータ,水温計となっており,どれも大型で見やすいです. 88年モデルはスピードリミッタの設定が無く,その代わりに速度警告灯が装備されています. 当時の高速道路では,2輪車は80kmが制限速度でした.この警告灯はおよそ90kmで点灯します. スピードリミッタがありませんので,エンジンの限界までスピードが出ます. 体重60kgの私の場合,スピードメータの“NIPPON SEIKI”と書いてある部分まで到達できます. おそよ205km/h程度だと思われます.89年モデルはリミッタが設定され,速度警告灯は廃止されました.
    ブレーキは前後とも油圧式のディスクブレーキです.フロントはダブルディスクに片押し2ポッドキャリパです. 対向4ポッドキャリパを備えた2スト250ccのようには効きませんが,コントローラブルで非常に使いやすいです. 制動力の立ち上がりは穏やかですが,ロックさせようと思えば出来る程度の性能は持っています. リアは現行車種にも多く使われているタイプの片押し1ポッドキャリパです.こちらも使いやすく必要十分です.

  • 灯火と電装
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    ライトは2灯式で,LOが35WでHIが55Wという変則的なものです. ガラスレンズと相まって,HI側は4輪車とさほど変わりない明るさです. ただしライトがフレームにマウントしてあるのでコーナーでは置いてきぼりをくってしまいます。 あと光軸調整が難しいです,左右で面イチに合わせるのが難しいです.一度テスタで合わせればそれ程ずれません.
    この年代のレクチファイヤレギュレータは設計ミスらしく,放熱が悪く直ぐに壊れるようです. ライトはスイッチにより消灯が可能です(2輪車が常時点灯になったのは93年から). 電装はしっかり設計されているらしく,長時間ライトをHIにして走行してもバッテリが上がったりすることは無いです.

  • 燃費

  • かなり高圧縮なエンジンですが,燃料はレギュラーガソリンです. セッティングは少し濃い目らしく,カーボンの堆積がありますので気にする方は洗浄剤入りの燃料がいいと思います. 燃費は走り方によって前後します. 郊外をのんびりと流すと25、6Km/L、高速道路の100km/h巡航だと22km/l程度です. 峠道をガンガンと走りこむと15km/L位です. 2ストのDT125Rは22馬力で20km/L程度でしたので,パワーに対しては燃費がよいです.
    燃料タンクは15Lで,リザーブが5Lなので300km程度巡航できる計算です. 私の場合230〜250km程度でリザーブに入ります.

  • 乗車姿勢

  • 国内専用車だけあり足つきが素晴らしく良いです.身長165センチでも何ら問題ないです。 両足がべったりつきます。ステップも低いです。
    最新の車両に比べると,シートとハンドルが遠くコンパクトとは言いがたいポジションです. マスの集中が余り考えられていかなかったのかも知れません. 最近の車両はタンクが太く,自然とニーグリップとなるのですが,このNC23はニーグリップがし難いです. しかも,夏場は膝があたるフレーム部分が猛烈に暑くなり,ジーパン程度では火傷をしてしまいます. 実際に私も幾度となく火傷してしまっています. ハンドルの垂れ角も少なく,ツーリングにも問題なく利用できます.

History

1988年(昭和63年)10月 登録.標識交付.
1990年(平成2年)   継続車検 1回目 (推定)
2004年(平成16年)8月 継続車検 2回目 ユーザー車検により実施 バッテリを交換
整備記録はコチラを参照

導入の経緯

2004年,親戚の知人から譲り受ける.前オーナの方は新車で購入し9500km程度乗ったところで 首都圏へ引越しとなり,実家の納屋に仕舞ったまま乗らなくなったそうです. その後,実家に戻ってきたのですが,乗ることもなく放置車両となってしまったとのことでした. そして,偶然にも私に譲渡の話が舞い込んできたのでした. 取りに行ったときは,センタリッドカウルの割れ有りと 凄まじい埃まみれ状態ではあったものの,屋内保存だったので状態はまあまあでした. しかも1988年(昭和63年)10月の登録時から一度も廃車されていませんでした. 私も名義変更時に標識は替えず,当時のプレートを現在も利用し続けています.. 1度車検を通していたようで,最後の車検は1990年(平成2年)でした.
私が,コソコソと復活作業を行って車検を通したのが2004年の夏です. エンジンはキャブを清掃するだけで始動することが出来ました. 保険代を捻出するためにNS-1を売却してユーザー車検を行った記憶が懐かしいです.

2010年8月15日.大幅に内容を変更.

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