[CBR400RR] 燃料ポンプ 故障
2011年9月1日
前兆
CBR400RRは2009年ごろに実家に引き揚げてからというもの殆ど乗っていなかった。
2011の5月に福島の実家から会社の寮に移動しようと、久しぶりに長距離を走ることになった。
だが、走り始めてから10Km程度でエンジンストップしてしまう。
しかし、暫く待つとまたエンジンがかかり走れる。だましだまし、そんな状態を数か月繰り返していた。
夏に北海道へツーリングへ行くこととなり、どうしても高速道路を走らなければいけなくなった。
まあ、大丈夫だろうと思って出発するのだが8月10日の深夜、
東北自動車道福島トンネル手前でCBRはあっけなくストップしてしまったのである。
深夜であったので、警察のお世話になることもなく高速道路上を2km押して松川スマートICから出ることが出来たのだが・・・。
結局、機械的部分は問題ないという結論にたどり着いた。 そして、燃料満タンにも関わらず止まらず動き続ける燃料ポンプが原因だと仮定した。 燃料ポンプについてエンジンへの燃料供給が噴射(Fuel Injection ;FI)式である場合に燃料ポンプがあるのは良く知られている。 しかし、キャブレター式のCBR400RRにも燃料ポンプは付いている。 キャブレター式での燃料ポンプの意味は燃料の加圧ではなく、キャブレターのフロートチャンバーへの燃料供給である。 よって、キャブレター式の燃料ポンプの吐出圧力はFI式のそれよりも低く、低圧ポンプなどと呼ばれている。 80年代以降のレーサーレプリカブームでは、直列4気筒エンジンは低重心化やフロント接地加重増加などの目的で シリンダが大きく前傾しているものが多い。 その結果、キャブレターはエンジン直上にある燃料タンクにめり込む形となり、 位置が燃料タンクのコックよりも高くなるか、若しくは落差が少なくなる。 このことから、重力落下だけでは4気筒分の横長なキャブレターへ均等に燃料送ることが難しくなる。 なので、この時代の直列4気筒車(CBRやFZR、ZXRなど)はどれも低圧ポンプを備えているようである。
左図がモーターでインぺラを回すタイプのポンプ、右図がソレノイドによりダイヤフラムを上下させるタイプのポンプである。 FI式の燃料供給にはモータータイプが、キャブレター式にはダイヤフラムタイプが良く利用される(らしい)。 モータータイプはモーターが止まると圧が逃げてしまうので、常時動作させてレギュレータにより余剰分を 逃がすことで一定圧力を保ち続ける。ダイヤフラムタイプは人間の心臓と同じ原理で、 ゴムのような柔らかい素材を伸縮させることでポンプ室を拡縮させる。 ここで、ダイヤフラムポンプの動作を考えてみる。
CBRの燃料ポンプを取り外し、カバーを開いてみると・・・
接点が真っ黒になり、すり減ってコンタクト部分が殆ど無くなってしまっている。 試しに電源をつないでみるとちゃんと動作しているようであった。 しかし、このコンタクト部分が原因としか考えられない。 試しに、吐出側の出口パイプを指で押さえてみる。すると・・・止まらない(涙)。 では、ポンプが止まらずキャブレターに圧をかけ続けるのか?だとしたら、ガス欠症状は起きないはずである。 キャブレーターのフロートバルブが閉まらなくなったとしても、 オーバーフローパイプから流れ出るだけのはずだ。 出口を指で押さえた状態で、 吸口を見てみると・・・吸ったり吐いたりしている(涙)。 本来はワンウェイバルブがあり、吸口は吸うだけのはずである。 どうやら、吸い側のワンウェイバルブがおバカになっているようである。 だから、一旦止まらないモードに入ると吸口側で吸ったり吐いたりするだけで(空回り状態)、 キャブレター側に燃料を送れなくなるようである。 そのうち、僅かずつはキャブレター側に吐出するので暫くするとまたエンジンがかかるようである。 ただし、ワンウェイバルブとコンタクトのどちらが主要因なのかは分からなかった。 コンタクトは物理的に減ってしまっていて、 修理が困難なのでポンプごと交換することにする。 偶然にも、家に放置してあったヤマハFZ250のポンプが同一形状でポン付けできたので付けた(笑)。 出入り口のパイプがCBRのものは8mmであるの対して、ヤマハは6mmであった。 テープを巻きつけて8mm相当にして取り付けた。
流石に3500kmしか走っていないFZのポンプのコンタクトはピカピカであった。 形状も殆ど同様であり、ポン付けが可能である。この年代のバイクはどれも同じようなポンプを使っていたようである。 その後は、突然ガス欠症状が出ることも無くなり、無事に夏の北海道ツーリング2400kmを走り切る事が出来た。 部品情報調べたところ、2011年現在、まだ燃料ポンプは新品が手に入ります。 |
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